2012-01-01から1年間の記事一覧

本日の感想_02

狭義の公害法から広義の環境法へ、警察法から計画法へ、という転換の流れの中で、従来の公害法の枠組みの中で定められた大防法・水濁法なんかの個別法のアップデートがどうなっているのか気になった。 つーかとりあえず水濁法は部分部分でアップデートが間に…

環境法学習ノート_02

【環境法とは】 環境への負荷を防止・低減することを目的とする法の総体を、環境法という。 【環境とは】 環境基本法には「環境」の用語の定義はない。 国民的意識の変化等によって変遷することを見越して、包括的・広範な概念として捉えている。 【「環境へ…

宝暦治水御手伝い?

水質環境基準項目(生活環境項目)にですね、新たに「ノニルフェノール」っていう物質(項目)が追加されたのですよ。 環境基準項目となったからにはですね、公共用水域の環境基準点で定期的に水質の測定を実施して、環境基準の達成状況を調査しなければなら…

本日の感想_01

とりあえず、土対法が自然的原因を法の対象としたのはやはり安直(あるいは時期尚早)だったのではないかという気分が強まってきた。公害規制法の性質を持つ土壌汚染対策法において、そのまま自然環境を乗っけるのは乱暴ではなかったか。自然環境を扱うため…

環境法学習ノート_01

モチベーションを保つために、勉強した内容を雑駁にメモ書きしていくことにする。 今日は環境法の歴史を概観。テキスト第1章(3p-25p)。 途中、教科書にないことも適当に追加。 【4大公害事件】 4大公害病とも。イタイイタイ病・水俣病(熊本水俣病)・新…

形から入る

とりあえず教科書購入してみた。 環境法第3版(大塚直、有斐閣)。 しばらく読んでみて飽きたら次の本を買うのが俺流。 そして読みかけの本が何冊も部屋に転がっているのが俺流。 気がつくと最初の本に戻って読み直してたりするのもまた俺流。

農村空間制御の法システム、ってアリ?

都市的発展において、異なる利害関係者間の調整を行い、合意を形成し、ある時は規制し、計画的に進めるための一連の法プロセスを、大橋洋一教授は「都市空間制御」の法システムと名付けました。 そうであるならば、農村空間を制御するための法システムなんて…

学び直すなら今、なんだけど

ここ数年、行きつけの本屋の棚とか見て、環境法のテキストがずいぶん充実してきたな、と思うようになったのですが、新司法試験の選択科目になったことによる浸透効果の現れだったのですね。司法試験なんぞついぞご縁がないもんで気にしてなかったわ。 私が学…

そうは言っても育成の難しさ

で、現状、若い職員に対して、CODとBODの違いとか、紫外法での窒素の測定に向かない水の性状とか、窒素やりんを低減するために必要な水処理工程だとかを、必死に教え込んでいるわけですが。 他方で、この若手職員も事務職で採用され、今後福祉に行くか土木に…

技術継承をどうするか

ベテラン職員が次々退職の年齢を迎える中、水質保全に関する知識や技術をどのように継承していくか、というのは、頭の痛い問題です。 公害問題が今よりずっと深刻だった昭和40年代を知る職員は、その多くがここ数年の間に定年を迎えました。 大規模な工業地…

土対法は何をどこで間違えたのか

土対法が制定されたとき、水濁法がすでに地下水汚染を対象としていた。→土対法は狭義の土壌汚染、すなわち、固体である土壌粒子の汚染のみを対象とする法律となり、土壌粒子の汚染と地下水汚染を別の法律で扱う不都合が生じた。 土対法の制定当初は、法の対…

法化学ってのはどうかな

ほんとにまったくただの思いつきだけど。 法医学とか法哲学とか法社会学のノリで、法化学っていう学問分野はないもんかな、とふと空想してみた。 人為的活動により排出されるさまざまな物質(いわゆる化学物質に限らない)の環境中での動向を観察し、環境影…

有害「物質」という縛り

Q:4級アンモニウム化合物であるテトラブチルアンモニウムブロマイドを触媒として使用しています。この触媒タンクは、水濁法の有害物質貯蔵指定施設に該当しますか? A:水濁法の有害物質である「アンモニア、アンモニウム化合物、硝酸化合物及び亜硝酸化…

1,4-ジオキサンって何だ

今年5月に水濁法施行令の一部が改正され、1,4-ジオキサンと塩化ビニルモノマーが有害物質に追加されるとともに、有害物質のうち1,2-ジクロロエチレンがシス体のみの規制からシス体とトランス体の和での規制に変わりました。 改正水濁法施行直前の駆け込み改…

水質・地質担当者のブックマーク

環境基準(環境省) 報道発表資料(環境省) 化学物質ファクトシート(環境省) 中央環境審議会情報(環境省) 潮MieYell(潮見表) 日本標準産業分類(統計局) 国土変遷アーカイブ空中写真閲覧システム(国土地理院) 放射線被ばくに関するQ&A(放射線…

法規担当者のブックマーク

官報 衆議院 参議院 裁判所 北海道町村会法務支援室 政策法務ニュースレター(千葉県) goo辞書 WAMNET 洋々亭様 パブリックコメント(e-Gov) 法令データ提供システム(e-Gov)

水質・地質スラング

きっと法務スラングより面白くないよ、とか予防線を張りつつ。 【技術的助言】 分権改革により機関委任事務が廃止され、自治体の行うすべての事務が「自治体の事務」となったことに伴い、法的規範性のある「通達」は廃止され、国の省庁は自治体に対し「技術…

それはない

水質汚濁防止法施行令の一部を改正する政令(平成24年政令第147号)より抜粋: 別表第一…第六十六号の七を同表第六十六号の八とし、同表第六十六号の六を同表第六十六号の七とし、同表第六十六号の五中「第六十六号の七」を「第六十六号の八」に改め、同号を…

書類の在処

恥ずかしながら当市の水濁法関係書類は、整理整頓されているとは到底言えない状態にある。 もちろん、敷地が100万平米くらいあって特定施設の数も100個くらいあるような大工場に関する届出書類なんかは、それなりに古い方から順に綴じて箱に入れてあったりす…

さらに余計なことを吹き込んでみた

俺「まあ、そうは言っても、環境行政なんかはまだマシな方かもしれないね」 後輩「えーっ、これでマシな方なんですか」 俺「公園部門にいたとき、朝8時過ぎに出勤したら、俺の机の上にFAX1枚置いてあるのね。県の公園担当課からで、これこれについて調…

実際のところの発生負荷量調査

さて、総量削減制度のもとで、関係各自治体は、当該自治体の区域における汚濁負荷量の発生状況を毎年確認しなければなりません。 総量削減計画の策定主体は国及び都府県であり、国は都府県に対し、毎年、当該都府県の区域における汚濁負荷量の発生状況につい…

総量規制制度

水濁法の総量規制制度、と言われても、直接業務に携わったことのない人には何のことやらさっぱりだろう。 水濁法の制定当初は、カドミウムやアルキル水銀に代表されるような、有害物質規制が喫緊の課題であったため、個別の発生源に直接排水規制を課すことに…

環境と法務

法規担当だった頃、環境部門に対しては「環境部って独特だよねー」という印象を持っていました。 例えば、何かにつけ「これって行政の不作為に当たりますか?」という相談を受けました。法規担当の立場からは「住民監査請求や住民訴訟のリスクはありますか?…

排水を見せてもらおうか

高校や大学の友人と会ったりすると、自然と「今何の仕事してる?」というのが話題になったりします。 法規担当の頃は「条例書いて裁判やってる」と説明するとすぐに分かってもらえたのですが、環境、と言われると、実際どんな仕事をしているのか、自治体勤務…

DHMO

今日、我々の身の回りには、数えきれないほどの種類の化学物質が満ちあふれている。 その中で、法律などで規制がされている物質はほんの一握りで、大半の化学物質は、たとえそれが危険なものであっても気づかれずに、我々の知らないところで環境を破壊してい…

プリプロピレン?ポロプロピレン?

後輩(水濁法担当)「先輩、ちょっと」 先輩(環境保全協定担当)「お?」 後輩「協定関係のこの起案ですが、1箇所『ポロプロピレン』ってなってます」 先輩「うあ、しまった。すぐ直しとくわ」 後輩「ちなみに、工場からの先方文書の中も、1箇所『ポリプ…

文系でも5分で分かる!超ざっくり石油化学工業入門(エチレン編)

はじめに、ちょっと炭化水素の話。 炭素(C)と水素(H)の化合物を総称して「炭化水素」という。炭素と水素の化合物は、自然界にももちろん色々存在する(例えば我々が毎日食べているでんぷんや糖やアルコールだって、炭素と水素とあとちょっと酸素の化合物…

調和条項への反省への反省

かつて、環境関連の法律には「調和条項」と呼ばれる条文が置かれていた。環境保護のための規制と経済的発展とは調和が図られるようにしなければならないという、実質的に、規制の限界を示したものだ。 当時の我が国の置かれていた状況を考えれば、経済的発展…

文系でも5分で分かる!超ざっくり石油化学工業入門(製油所編)

自分のための備忘録として。 われわれの身の回りには、膨大な種類と量の石油製品がある。 これを作っているのが石油化学工業なのだが、多くは石油化学コンビナートとして、いくつもの工場が連なって立地していて、どの工場がいったい何をやっているのか、素…

ヘキサメチレンテトラミン

この夏関東近県の水道部門を混乱のるつぼに陥れた問題の化学物質は、結局水濁法の指定物質に追加されるという決着を見そうです。(関連パブコメはこちら) まあ、それ以外の落としどころなんてないわけですが。 ヘキサメチレンテトラミン、という舌噛みそう…