宝暦治水御手伝い?

 水質環境基準項目(生活環境項目)にですね、新たに「ノニルフェノール」っていう物質(項目)が追加されたのですよ。
 環境基準項目となったからにはですね、公共用水域の環境基準点で定期的に水質の測定を実施して、環境基準の達成状況を調査しなければならんのですよ。
 で、ノニルフェノールってのは、理論上211種類の異性体があるらしいんですよ。
 さすがに全部調べるわけにはいかんので、環境省告示で定める測定方法(いわゆる公定法)では、13種類ほど測定して総和を求める形にしたのですよ。
 で、そろそろ来年度の予算編成時期なので、ノニルフェノールの分析委託でいくらかかるか、見積もり取ってみたわけですよ。
 通常の測定項目の13倍くらいの値段が出てきてぶっ飛ぶわけですよ。
 このご時勢、前年より予算増額なんてありえないので、どうやって他を削るか、乾いた雑巾をさらに絞るようにして、測定費用を捻出することになるわけですよ。
 で、なんか不意に表題の単語が頭をよぎったわけですよ。
 いや、国がむやみに自治体の財源を枯渇させて疲弊させようとしてるとは思いませんよ。思いませんけどさ。
 ただ、こと環境分野においては、国がどんどん法令を改正して、有害物質や環境基準項目を増やしたり、施設の構造基準を設けたりしていくと、その実効性を担保するために、自治体は立入調査を実施したり、分析項目増やしたりしなきゃならんのですよ。
 自治体の人的・財的資源にも限りがあるので、どっかに新たにヒトとカネを回すには、どっかを削るより他にないわけですよ。
 そうでなきゃ結局、法律だけ立派なものができても自治体の実務がついてこないことになって、絵に描いた餅の旨さを競う選手権開催と相成るわけですよ。


 やっとれんわー(投げ遣り