さらに余計なことを吹き込んでみた

俺「まあ、そうは言っても、環境行政なんかはまだマシな方かもしれないね」
後輩「えーっ、これでマシな方なんですか」
俺「公園部門にいたとき、朝8時過ぎに出勤したら、俺の机の上にFAX1枚置いてあるのね。県の公園担当課からで、これこれについて調査して今日の午前10時までに報告してくれ、って」
後輩「うわ、ひどい。何それ」
俺「ふざけんなって思ってFAXよく見たら、送信時刻がその日の午前2時になってるのね」
後輩「えっ」
俺「国土交通省から県に対して、日付が変わる頃に、翌日の正午までに回答しろってFAXが来たそうで。それ聞いたら俺、県の人がかわいそうになってきて、もう必死で調べて何とかその日の10時ちょっと過ぎに回答した」
後輩「うわー」
俺「まあ、何だかんだで一番ひどいのは、福祉部門だけどね。とにかく政局がらみで、ころころ制度が入れ替わる。しかも、生身の人間に対して福祉サービスを支給するためのものだから、誰が支給対象者になって、誰にどの支給を実施したのか、膨大な量のデータが飛び交うことになる。それなのに、準備期間が全然与えられない。
 例えば今ぐらいの時期に、国会で新たな福祉制度の法律が成立したとするよね。そうすると、この新法の施行期日はだいたい再来年、平成26年の4月1日とかに設定される」
後輩「なんか時間ありそうな気もしますけど」
俺「ところが、だ。今言ったように、福祉は個々の住民を対象とした膨大なデータを扱う。職員の手作業で扱える量じゃないから、基本的に、新たな制度が立ち上がるたびに、市町村で電算システムを構築しなきゃ、事務に対応できない。
 平成26年4月1日から新制度の事務を行おうとしたら、平成25年度中に必要なシステムを構築しなきゃいけない。もちろん専門のシステムベンダーに委託するんだけど、平成25年度予算で委託するということは、平成25年度予算要求の時点で、どのようなシステムになるのか見えてなければ、予算要求ができない」
後輩「あー……なんかちょっと分かってきました」
俺「最低限、予算要求を行う今年の秋くらいには、予算要求の積算根拠として必要な程度にシステム要求が明らかにならなきゃいけないんだけど、システム要求どころか、関係政省令の骨格さえ見えない、ということがままある。結果的に、えいやっと山勘で見積もるしかなくなる」
後輩「なるほどー」
俺「で、土壇場になってあれも必要だったこれも必要だったっていうのが明らかになって、予算も時間もない状況で無理矢理システム組み上げて、とにかく26年4月1日に走らせてみる。すると当然のことながら、何かしらエラーが出るわけだ。
 後期高齢者医療制度の導入のとき、いくつかの自治体でトラブルが出たって、ニュースになったでしょ?その背景にはなんかこんな感じの無茶があったわけだな」
後輩「ほんっと、ひどいですねー」