2010-01-01から1年間の記事一覧

子ども手当から給食費を天引きできるか

少々乗り遅れた感がありますが、そんなネタ。 数日前の昼食時、とある定食屋での会話: 同期(福祉関係の所属)「(新聞見ながら)へー、給食費や保育料が子ども手当から天引きされるんだー」 俺「そういう方針を厚労省が出した、っていうだけの段階ね。この…

自然的原因によるフッ素の基準超過(まとめ)

全国の土対法関係者の間で、この4月以降、自然由来による土壌汚染、特にフッ素の基準超過が、見過ごせない問題となっています。いったい何が問題なのか、ちょっとまとめてみました。 法規担当の皆様もぜひご確認ください。きっと貴方のところにも、近々誰か…

そんな時期

そういえば国も地方も新年度予算編成真っ只中の時期ですね。 いや、直前のエントリとは何も関係ありませんよ(白々

地方分権と協働

霞ヶ関の皆様にお願いがございます。それは、地方分権を考えるときに、国の事務事業の合理化の観点から考えないでいただきたい、ということです。 これからの行政需要を中央政府のみで賄うことはもはや現実的でなく、国の権限と責任を自治体に下ろすことによ…

受理書などただの飾りです。偉い人には(ry

ややこしい届出を窓口で何度も指導して指導して指導して直させて直させて直させてようやく提出してもらった後の同僚との会話。 俺「やー、終わったねー」 同僚「終わりましたねー。……って、まだですよ。受理書出すまでは安心してもらうわけには」 俺「まあ、…

事前手続の期間短縮は可能か

土対法4条2項の調査命令というのがある。形質変更の届出があった土地に対して、行政庁が地歴調査を行い、汚染のおそれがある場合に土地所有者等に調査を命じるものだ。命令だから当然、不利益処分に当たり、行手法により事前手続(聴聞又は弁明の機会の付…

勿論解釈

土壌汚染対策法では、汚染状況の調査方法は環境省令で定める方法(公定法)によるべきものとされており、公定法と異なる方法で汚染状況調査を行っても、原則として、その結果を法律上の手続に利用することができません。 この公定法に対してもいろいろ技術的…

裁定的関与の落とし前

地裁からずっと気になってた事件が最高裁で決着しました。 旧海上町(現旭市)と銚子市、東庄町にまたがる民間の産業廃棄物最終処分場をめぐり、周辺環境に悪影響を及ぼすとして、地元住民が設置許可取り消しと建設差し止めを求めた行政、民事訴訟で、最高裁…

法規担当の目から見た4条1項

改正土対法の4条1項により、3,000平米を超える土地の形質変更をしようとする者は、形質変更に着手する30日前までに、届出をしなければならなくなりました。 この届出に関しては、既に都道府県・政令市の担当者間でいろいろな疑問が上がり、情報交換も頻…

悩めるロバ

更新滞って申し訳ありません。 直接の原因は、副鼻腔炎の悪化による体調不良ですが、同時に、ブログの方向性について悩んでいたことも、しばらく遠ざかっていた理由のひとつです。 このブログの発足当初は、法規担当のお仕事ブログだったので、わりと日常的…

おのぼりさん

先輩「D-liz君、今日の飲み会、会場からバス出るけど使う?」 俺「いえ、東京国際フォーラムから直接行きますので」 先輩「ほーお」 社団法人水と環境の会主催のシンポジウムに行ってきたのですよ。これからの水環境を真剣に考えるために。…嘘ですごめんなさ…

ねじれましたね

来年の話をすると鬼が笑う、とは申しますが、次の3月の税法の時期にどんな国会情勢になっているか考えるとドキドキしますね。 そうでなくても、いわゆる地域主権改革関連3法とか、温暖化対策基本法とか、独禁法改正とか、前国会の積み残しだけでもなかなか…

施設と業種

水濁法では、汚水又は廃液を排出する施設であって政令で定めるものを「特定施設」と呼び、特定施設を設置し、かつ公共用水域に水を排出する事業場は、行政庁に届出をしなければならない。 このような届出義務のある事業場(特定事業場)は、施設の種類及び排…

これからの水源保護の話をしよう

問: 水道水源として利用されている河川がある。この河川は、上流域の開発が進むにつれて水質汚濁が進み、下流域での飲用水としての利用に支障をきたしていた。 そこで、上流域の指定区域内の土地所有者に対し、土地利用を規制する条例が作られた。指定区域…

不服審査の存在意義

果たしてこれも阿部説の勝利、と言えるのかどうか。 課税ミスで固定資産税を多く取られたケースで、不服審判請求(原文ママ)をしないで過払い分の返還が認められるかどうかが争われた訴訟の上告審で、最高裁第1小法廷(宮川光治裁判長)は3日、「不服審査な…

引継ぎ完了

何日か前のことになるが、会議録の回覧と一緒に、添付資料として、今議会の提出議案の概要が回覧されてきた。 その中に、ずっと気になっていた条例案3本が無事掲載されているのを見て、すごくほっとした。この3本は、この3月まで私が担当していたもので、で…

信頼関係を築くには

署名記事に対して私のような匿名ブログが批判めいたことを書くのは、いささかみっともないことだと承知しているが、記事そのものへの批判ではなく、この記事に顕著に現れている土対法の考え方そのものへの疑問を呈するものとして、どうか大目に見ていただき…

憧れの赤い君

思い返してみれば、子供の頃からニックネームは「先生」とか「師匠」とかの類が多かった。役所に入ってからも、同期の中ではなぜか「先生」と呼ばれている。 見た目はよほど落ち着き払って見えるらしく(実際にはまったくそんなことはないのだが)、ヒトケタ…

土壌汚染と瑕疵担保責任

最近は判例のチェックもサボり気味だったので、危うくこんな面白い最高裁判例を見逃すところだった。 平成22年6月1日第三小法廷判決 土地公社が工場跡地を購入したら当該土地の土壌から高濃度のフッ素が検出されたので、民法570条の瑕疵担保責任を求めた、と…

情けは人のためならず

法規担当というのは、(少なくともウチの自治体では)もっぱら各担当部門の「お手伝い」をする仕事です。逆に言うと、法規担当が、自分のとこの仕事を進めるために、他の部課に協力を求める機会というのは、考えてみるとあまり多くありません。 で、異動して…

役所の常識は世間の非常識

「BODとCODの数値取り違えてますよー」 「全窒素の日報が2月分が2枚付いてて1月分が付いてないですー」 「宛先が市長じゃなくて知事になってるんですけどー」 「記入欄が全部1行ずれてますー」 4月以降、何度となくこんな電話をかけまくっている…

国と地方の温度差

よく誤解されるのだが、土壌汚染対策法とは「土壌汚染を根本的に浄化する」ことを目的にした法律ではない。 第1条を見てもらえば分かるとおり、土対法はまず「汚染状況の調査・把握」を目的とする法律であり、その上で「健康被害の防止」を狙いとする。健康…

そのリアクションは今日2度目

午前中、現場に出るので上下とも作業着に着替える。 現場から戻ってきて庁舎内の階段で、法規担当のときにお世話になった先輩とすれ違ったので「こんにちはー」と挨拶する。一瞬、怪訝な顔をされる。 先輩「あ、ああ、D-liz君か。なーんだ、そんな格好してる…

許可制と届出制

許可制と届出制の話は、『法制執務詳解』の前半でも出てくるとおり、法規担当者がかなり早い段階で通る道、法制執務の基礎の基礎である。 許可制と届出制の違いについて、法規担当者であったときは、規制の程度の強い・弱いの違いが最大の関心事であったが、…

届出と審査

さて、前のエントリで触れたとおり、水質汚濁防止法の届出制度というのは、その是非についての評価はさておき、なかなか周到に、実効性確保も考えて作られている。(それにしても、大企業の大工場ならともかく、角の豆腐屋やクリーニング屋に順守させる上で…

届出と受理

行政手続法が到達主義を採用したことから、行政行為としての「受理」は法の特別の規定がない限り観念し得ない。届出書が行政庁に到達した時点で届出者は行政上の義務を果たしたことになり、あとは行政庁側が改善命令等の処分をするかどうかの判断だけの問題…

じゅげむじゅげむ

D-lizはバリバリの文系です。 水濁法でまず何が面食らうかって、有害物質とかの名前が意味不明。技術的な用語が専門的すぎてさっぱり頭に入りません。「テトラクロロエチレン?……えーと、テトラでクロロなエチレンなのね」とか、3割くらい分かってますが7割…

新しいお仕事

ところで、この4月からの新しい職場についての説明をしていませんでした。 同期:「D-liz君異動したんだってねー」 俺:「ああ、水商売」 同期:「え」 俺:「ああうそうそ、水仕事」 なんてやり取りもあったりなかったりしますが、環境保全を所管する課へ異…

Re:法規担当が異動するとどうなるか?

今更で恐縮ですが、この4月1日に異動されたtihoujiti様の4月3日付エントリから: ■法規担当が異動するとどうなるか? 答え:多くのことが気になる。 分かります分かります。私も着任してすぐに開いた水濁法の逐条解説に「受理日とは、到達した日を指すのでは…

子ども手当(まさかのサプライズ)

午前9時頃の会話。 同僚B(税条例担当):「今日の官報出ましたー」 俺(国保条例、子ども手当規則担当):「よしよし」 同僚A(高校無償化関連例規担当):「といってもこっちは、まだ国会で可決されてないから、載ってるはずないんですよねー」 俺:「……