法規担当の目から見た4条1項

 改正土対法の4条1項により、3,000平米を超える土地の形質変更をしようとする者は、形質変更に着手する30日前までに、届出をしなければならなくなりました。
 この届出に関しては、既に都道府県・政令市の担当者間でいろいろな疑問が上がり、情報交換も頻繁にされているところですが、論点のいくつかを法規担当的な視点から一問一答形式で解説。


Q1:着手予定日の30日前を過ぎてから、事業者が届出を出してきた。これって、受け付けるべき?
A1:行手法以後、行政行為としての「受理」は観念し得ないので、持ってこられた以上は受け取らないわけにはいかない。届出義務違反で罰則の構成要件になることは指導しておこう。


Q2:届出内容を審査した結果、4条2項の調査命令は出さないこととした。これって、届出者に連絡すべき?
A2:法的には連絡の必要なし。届出者は届出をしたことで既に法律上の義務は果たしているので、役所の届出審査が終わろうが終わるまいが、連絡があろうがなかろうが、調査命令が来ない限りは、届け出た着手予定日の到来をもって形質変更に着手してよい。


Q3:届出書の着手予定日は届出日の30日後となっているが、届出者からは、役所の許しがあれば予定日を前倒しして形質変更に着手したいとの申し出があった。この要望には、応えてあげるべき?
A3:土対法4条1項の届出には、大防法や水濁法のような「実施の制限」の規定はなく、したがって「期間の短縮」の規定もない。届出書には実際に着手する予定日を記載させ、役所の届出審査の終了時点とは関わりなく、予定日に着手するよう指導すること。