行政手続法後の世界

 行政手続法により、行政行為としての「受理」の概念は一般に否定されたと言われる。もう少し詳しく言うと、行政手続法において、行政庁は申請が「到達」したことをもって応答義務を負うし(7条)、届出が「到達」したことをもって届出者の義務は果たされる(37条)という、いわゆる「到達主義」を採用したことにより、少なくとも行政手続法において、独立した法律効果を持つ「受理」の概念を差し挟む余地は存しない、ということだ。
 したがって「不受理処分」なる処分は、法律又は条例に明文の根拠がない限りは想定できないものであるし、既に到達した書類に対し審査を行わない「保留」のような対応を行えば、応答義務を懈怠したものとして違法の誹りを受けかねない。
 以上、基本の基本。


 ……どうしてわざわざこんな初歩的な話題を書かなければならないのかというと、下に続く記事を参照のこと。