附属機関と懇話会

 附属機関の設置は、法令に特別の根拠がない限り、条例に拠らなければなりません(地方自治法第202条の3第1項)。
 ところが、これと別に、私的諮問機関とか懇話会とか呼ばれる、法令や条例に根拠を持たない会議体が置かれることがあります。当自治体でもご多分に漏れず、この種の会議体がたくさんあります。
 で、時々「懇話会の設置要領作ったから見てよー」って相談を受けるわけですが。

俺「これって附属機関じゃないの?なんで条例で作らないの?」
相手「いやいや、そんな附属機関なんていうちゃんとしたものじゃないから」
俺「じゃあどこが附属機関と違うの?」
相手「……いや、だから、そんなちゃんとした会議じゃなくって、もうちょっとこう、簡単なやつで」
俺「説明になってませんが」

 なんてやり取りをすることも少なくありません。

 大体、懇話会の設置要領だ、って言いながら、他市の附属機関の設置条例の条文をパクりで持ってきたりするから、話がややこしくなるわけです。
 附属機関の設置条例をベースに、どこをどうアレンジしたら附属機関ではなくなるか、というポイントは、大体以下のようなところだと思います。

  • 会長を互選で選ばない。司会進行は事務局側で行う。
  • 会議の招集は会長ではなく、市長が行う。
  • 会議に定足数(「過半数の出席がなければ成立しない」等)を設けない。
  • 議決をとらない。

 要するに、会議として意見をひとつにまとめることをしない、というのがポイントなんじゃないかな、と。
 この会議は附属機関ではない、と言い張る根拠としては「同じ場所、同じ時間に、必要な見識を備えた人たちを揃えて話をしてもらうだけであって、自治体の『機関』ではない」ということが言えなければならないので、だったら「会議体としての意見を外部に発信しない」ということが、附属機関ではない懇話会として、守らなければいけないラインなんじゃないでしょうかね。