いま自治体職員にできること

 地震発生当初は「こんなときにブログなんて…」と思っていましたが、日を追うにつれ、少しずつ考えが変わってきました。
 震災後、役所にはそれまでより多く、市民の皆様から電話がかかってくるようになりました。環境、という私の職場柄かもしれませんが、やはり放射線放射能についての問い合わせが非常に多くあります。
 お話をしながら思うのは、やはり皆さん不安なのだな、ということです。特に、放射線放射能については、目に見えないものであり、また一般に知識の広まったものでもないことから、分からないことに対する不安、というのが大きなウェイトを占めている、というのが私の受けた印象です。
 もちろん、D-lizは一切原子力についての専門的な知識を持ち合わせていませんし、今多くの人々が直面している困難の大きさを考えれば、一介の基礎自治体に、自治体職員にどれほどのことができるのか、という無力を感じずにはいられません。それでも、この役場に席を占めさせていただいている以上、市民の皆さんの不安を少しでもやわらげることこそが、今、私のやるべきことなのだろう、と考えています。
 そのためには、正しい情報を手に入れること、そして、必要な情報を早く、正確に伝えることだと思います。実際、特殊な知識も技能も持ち合わせていない大多数の自治体職員にとって、今できることといえば、情報の収集と伝達、これに尽きると思うのです。


 そして、私はこれまで、多くの自治体職員の皆様のブログを業務の助けにしてきました。
 このブログを立ち上げた当初の理想は、自分もそうした先達の皆様と同じように、どこかの自治体の誰かの助けとなりたい、ということでした。
 そうであるならば、こんな時だからこそ、市民の皆様からの問い合わせなどに際して、自治体職員が必要とする知識や情報を共有するために、ここから、情報発信をするべきなのではないか。今は、少しずつそういう気持ちが強くなってきています。
 どの程度皆様のお役に立てるか分かりませんが、日頃の業務の中から、これはと思った情報を書き連ねて参りますので、時折足を止めていただければ幸いです。