地質とは何か

 中学校の理科の授業を思い出していただきたい。
 物質の三態とは「固体、液体、気体」である。
 われわれが「土」とか「地面」と呼ぶものは、様々な物質が重なり合って構成されているものであって、その構成成分には、固体であるもの、液体であるもの、気体であるものがある。
 地中において固体であるものを「土壌」、液体であるものを「地下水」、気体であるものを「地下空気」と言うこともできるだろう。
 地質環境の汚染問題について考えるときに、それは土壌の汚染なのか、地下水の汚染なのか、地下空気の汚染なのか、ということを考えなければならない。もちろん現実の事例は「汚染された土壌が地下水に触れて地下水を汚染させる」「汚染された地下水から揮発した有害物質が地下空気を汚染させる」といった、より複雑な経過を辿るわけだが。


 このように考えたとき、土壌汚染対策法の問題点は、その名のとおり「土壌汚染」を念頭に置いているので、地下水・地下空気の汚染を含めた地質汚染の重層的な構造を、見誤りかねない、という点にある。
 さらに言えば、土壌汚染対策法の限界は、同法の制定よりずっと前に、水質汚濁防止法が、地下水汚染に対応する法律としてその地位を確立していたことにある。


 以上、前提条件の整理終わり。
 本題は次のエントリ。