5年目の指定管理者

 私が法規担当部門に異動してきたのは平成17年のこと。着任してすぐの6月議会に、指定管理者制度への移行に伴う公の施設の設置管理条例の一括改正を提案したのが、もはやなつかしい思い出になりつつある。
 法規担当となる前は、まさに施設管理部門に配属されていたので、指定管理者制度に関わる例規改正については、例規担当というより、施設管理担当の目で見て考えていた。指定管理者として手を挙げてくる民間事業者は、行政には思いつかないアイデアやノウハウを有している、創造性のある事業者であって、今までと同じコストでよりよいサービスを提供できる。…現実にはそんな事業者を見つけ出すのはなかなか難しいとしても、それが理想形だ、と考えていた。
 若かったナァ当時の俺、とツッコミたい。
 今になって冷静に考えてみると、指定管理者制度って、小泉‐竹中改革の真っ最中の制度よ?まさにNPMの代表例よ?「今までと同じコストで今までより質の高いサービスを提供する」⇒×。「今までより低いコストで今までと同等のサービスを提供する」⇒○って解釈しなきゃダメだったんじゃないの?
 で、サッチャリズムの後にブレア労働党政権が、レーガノミクスの後にクリントン民主党政権があったように、小泉改革後の「揺り戻し」の時期を迎えているこの国で、そろそろどこの施設でも指定管理者の最初の任期が終了するわけですが。
 …公募かけても事業者の手が挙がらない施設が頻発する懸念。