社会学者が教える地方自治制度が面白すぎる件

今回、地方自治制度の教科書を何冊か購入したのですが、その中で『地方自治講義』(今井照、ちくま新書)が抜群に面白かったです。

伝統的な公法学、実務における伝統的解釈(いわゆる行政実例に代表されるような)も十分念頭に置きつつ、本書は社会学的アプローチを活かして、地方自治制度の現在地に深く切り込んでいます。

最近の定額給付金~臨時福祉給付金なんかで、実質的な中央集権化に地方制度が蚕食されているような懸念を感じた俺の感覚は、そんなに変なものでもなかったのかな、と再確認。

そして、この本には自治体職員にも耳の痛いことがたくさん書いてありますが、それは自治体の本来業務=住民の生命と安全を守る、という基本に返れていないからであって、この本質を見失わなければ(国主導の)地方分権→地方創生の波に右往左往することなどないのだ、と改めて思い知らされます。