ちばにゃん(cv:小桜エツコ)

タイトルと同じこと一度は考えたよね、みんな。

 

妻「チバニアンの講演会だってー(新聞か何か見ながら)」

娘「つか、チバニアンって何なの、結局」

妻「千葉県にそういう地層があってね」

俺「違ーう!(鼻息荒い)」

娘「あ、始まった」

俺「チバニアンは、地質年代の区分の名称。あそこの地層(露頭)の名称は『千葉セクション』だ」

娘「はい、一応聞きます。それで、チバニアンって何?」

俺「まず、地球は大きな磁石です。北極がS極、南極がN極の磁石。だから方位磁針は地球のどこに持っていっても、N極が北を向き、S極が南を向きます」

娘「うん、それは分かる」

俺「ところで、地球は昔から北極がS極、南極がN極と決まっていたわけではない。地球の歴史上、S極とN極が何度か入れ替わってきたことが観測されている。理由は不明。

「いちばん最近の地磁気逆転は、およそ77万年前に起こったことが分かっている。この、地磁気逆転の起こった77万年前から、12万6千年前までの年代は、地質年代上一つの区分(中期更新世)として考えられている」

娘「へー」

俺「ところで、地質年代の区分を決定するときは、世界の地層の中でその年代が観察しやすい場所を1箇所、ものさしとして決定して、他の地層を観察するときは、このものさしとなる地層と比較して年代特定を行うことになる。このものさしの場所を『標準模式地』という」

娘「ほー」

俺「直近の地磁気逆転から始まるこの時代(中期更新世)を観察できる地層は、日本とイタリアのものしか知られていない。どちらをこの時代の標準模式地に選定するか、争われていたところだけど、日本の地層『千葉セクション』の方が優れているとして、標準模式地に選定される見込みだということで、ニュースになった」

娘「ほへー」

俺「『千葉セクション』の優れているところは、堆積速度や順序の関係で、必要な地層が正しい順番で、十分に観察できる厚さであること。それに加えて、地磁気逆転とごく近い時期に御嶽山の噴火があったため、火山灰層が目印のように入っていて、ここから取り出された物質の測定によって地磁気逆転の年代がより正確に特定できるようになったこと、などが挙げられる」

娘「ふみー」

俺「今後、『千葉セクション』が標準模式地として決定されれば、地質年代の一つの区分である中期更新世に、千葉にちなんだ名前がつけられることになる。日本の研究チームはこの時代区分の名称として、千葉時代を意図する『チバニアン』を提案している。ラテン語的には正しくないらしいけど」

妻「あ、確かに。チバシアンになる?」

俺「素直に名づけるとチビアンかな。語呂が悪いので、『千葉の』という日本語から『チバニアン』と名づけたらしい」

娘「むふー」

俺「分かった?」

娘「うん、ぜんっぜん分かんない」

俺「だよねー」

 

ところで、グーグルマップでも既に「チバニアン地球磁場逆転地層」とか書かれてるのですがどう突っ込んだらよいのか。